機能性繊維製品、たとえば高級なタオルは素晴らしい柔軟性と親水性を両立している。 同じようなことが、現代の先進的な衣料にも要求される。着用者からは柔軟な風合いと合わせて吸水性も期待される。これら両方の特性を持つ繊維製品だけが今日の増え続けている快適な着心地の要求を満足させることができる。
今日では、たとえ完璧な吸水性を持っていたとしても擦れた時に簡単にその性能が落ちるような衣類を着ることはないだろう。
ワッカー社の新しいシリコーン柔軟剤はこの柔軟性、吸水性の2つの特性を最適な組み合わせで絶妙なバランスを生み出した。
最新の織物仕上げのトレンドは柔らかさと親水性を兼ね備えたものに向かっている。 一般的にシリコーンは、優れた柔軟性の付与が最大の特徴であるが乾燥後の吸湿性の低下が知られている。同じようにこれらの繊維で織られたガーメントもごくわずかしか湿気を浸透しない。これは発汗などによる湿気の外気への移動も困難になるということである。
WETSOFT® NEシリーズはシリコーンと繊維間のインターラクションを高く保持し、素晴らしいシリコーンの風合いと親水性のバランスを醸し出すことを可能にする製品群である。繊維間の湿気の移動を加速し着心地を快適にさせ、天然繊維だけでなく、ポリエステル繊維にも吸水性を付与することが可能である。
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WETSOFT®シリーズは繊維を処理すると、これまでにないシルク感、ビロード感といったやわらかな肌触りだけでなく優れた吸水性も付加価値として与えられる新しいシリコーン製品である。 |
・ | 綿や麻などの天然繊維のみだけではなく、ポリエステルなど化繊との混紡繊維にも広く対応できる。 |
・ | 欧州及びアジア各国で爆発的に販売が伸びており、ハイエンドのテキスタイル製品に数多く使用されている。 |
さらに WETSOFT® NEシリーズは一般のアミノポリエーテルシリコーンをベースにした製品群よりも耐洗濯性を向上させるこれまでのシリコーン系柔軟剤にはない新しい吸水柔軟剤である。またWETSOFT® NEシリーズは、容易に水に分散することができ、 パディングや吸尽法によって処理することができる。
WETSOFT® NE810とWETSOFT® NE 820は任意の割合でブレンドすることができ、親水性と柔軟性のバランスを好きなようにコントロールすることが可能である。 そしてWETSOFT® NEは繊維表面を均一に親水性にするため、 繊維処理行程中に起こる染色ムラ等の問題を軽減することによりトータルコストの低減にも寄与ができる。また、すぐに使用できるマクロエマルジョンとして WETSOFT® NE 230、マイクロエマルジョンとして WETSOFT® NE 580がラインナップされている。
低黄変柔軟剤
柔軟剤を白い生地に処理した場合黄変は時として大きな問題となるが低黄変の製品もラインナップされている。
WETSOFT® AE 200は素晴らしい柔軟性、親水性、そして極めて黄変、赤変の少ない特性を持つ。
最新製品情報
ここでWETSOFT® NEシリーズの優位性を謳っているがさらにその洗濯耐久性を向上させたグレードの
WETSOFT® WP 101 およびWETSOFT® WP 201もラインナップされている。
図1は通常のアミノポリエーテルシリコーンのイメージ図である。アミノ基(緑部)がアンカーとなり持続性は良いものの親水基(橙部、ポリエーテル)がシリコーンの主鎖を覆い隠すためシリコーン本来の柔軟性、風合いが得られにくい。
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図1. 通常のアミノポリエーテルシリコーン
図2. WETSOFT® AE 200 |
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図3はWETSOFT® NEシリーズのイメージ図である。 ジメチルシリコーン鎖の両端に親水部、さらにその先に基材との吸着性のある基(アンカー)を配することにより、柔軟性、親水性に優れなおかつアンカーの存在により洗濯耐久性にも優れる。
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図3. WETSOFT® NEシリーズ |
表1に各製品の物性、特徴をまとめた。
表1. 各WETSOFT® 製品の特長
製品 | WETSOFT® CTA |
WETSOFT® AE 200 |
WETSOFT® NE 810 |
WETSOFT® NE 820 |
外観 | 透明~やや黄色 液体 |
透明~やや黄色 液体 |
透明~やや黄色 液体 |
透明~やや黄色 液体 |
固形分 | 100% | 100% | 100% | 100% |
pH (25℃,5%水溶液) | 約8.0 | 非該当 | 約5.5 | 約5.5 |
粘度(25℃) (Brookfield/No.2 /2.5rpm) |
約3,000 | 約4,000 | 約5,000 | 約10,000 |
(上記値は代表値であり、出荷規格ではありません)
WETSOFT®各製品と一般的なアミノシリコーンの処理剤での柔軟性と吸水性の関係を図4に表した。
図4. WETSOFT®シリーズの吸水性と肌触り(柔軟性)の関係図
WETSOFT® NE 810は柔軟性が一般的なアミノシリコーンとほぼ同じにもかかわらず優れた吸水性を持つことがわかる。
WETSOFT®シリーズは希釈してそのまま、あるいは他の柔軟剤と併用することで、繊維、織物などに吸水性と柔軟性を与えることができる。
WETSOFT® CTA |
最も吸水性に優れる。 氷酢酸 0.5部、を混合し、さらに72.5部の水で希釈してマイクロエマルジョンにする。 |
WETSOFT® AE 200 | もっとも低黄変タイプ。 任意の方法で乳化して使用する。 |
WETSOFT® NE 810 | 最も柔軟性に優れる。 |
WETSOFT® NE 820 |
柔軟性の高いWETSOFT® NE 810にブレンドすることで WETSOFT® NE 810の吸水性を高める。 WETSOFT NE® 810またはNE 820 25部を加えて外観が透明になるまで撹拌する。 さらにイオン交換水21部と必要量の防腐剤を加え、よく撹拌してエマルジョン化させる。 |
ワッカー社では用途に応じて様々なタイプの吸水性柔軟剤を世界各国の市場に提供している。
これら製品は欧州及びアジア各国で爆発的に販売が伸びており、ハイエンドのテキスタイル製品に数多く使用されている。
現在、日本では化審法未登録のためこれらの製品群は輸入・販売量が限定されている状況であるが、日本のお客様にこれらの製品群を広くご使用いただくべく情報を収集し、上市の準備を進めていく所存である。
各製品の詳細情報につきましては、「お問い合わせ一覧」より、お問い合わせください。