燃焼法・乾式シリカ | HDK® シリーズ

 

pdfdl.jpg

特徴

HDK®シリーズは、四塩化珪素の燃焼加水分解によって製造された、純度が非常に高い非結晶性の微粉末シリカです。燃焼により形成された真球状の粒子(直径5 ~ 30 nm)が数珠状に凝集・融着し、嵩高い凝集体(粒径100 ~ 400 nm)を形成します。 これが粒子としての最小単位となりさまざまな機能を発現し、塗料や接着剤などのチクソ性改善・粘度調整、粉・粒状製品の流動性向上や固結防止、ゴム製品の強化などさまざまな用途に使用されています。

 

製品一覧

親水性HDK®

項目単位HDK® V15HDK® N20HDK® T30HDK® T40
外観 - 白色・粉体
比表面積(BET法) m2/g 130 - 170 170 - 230 270 - 330 360 - 440
SiO2含有量 % > 99.8
かさ密度 g/L 約 50 約 40 約 40 約 40
真密度 g/L 2200
乾燥減量 105℃, 2時間 % < 1.0 < 1.5 < 1.5 < 1.5
pH (50%メタノール水溶液) - 4.0 - 6.8 4.0 - 6.8 4.0 - 6.8 4.0 - 6.8
ふるい残分( >40μm) % < 0.03 < 0.03 < 0.03 < 0.03

 

 

疎水性HDK®

項目単位HDK® H15HDK® H18HDK® H20HDK® H30
外観 - 白色・粉体
比表面積(BET法) m2/g 130 - 170 170 - 230 170 - 230 270 - 330
SiO2含有量 % > 99.8
かさ密度 g/L 約 40 約 50 約 40 約 40
真密度 g/L 2200
乾燥減量 105℃, 2時間 % < 0.6 < 0.6 < 0.6 < 0.6
pH (50%メタノール水溶液) - 約 4.3 約 5 約 4.3 約 4.3
ふるい残分( >40μm) % < 0.05 < 0.1 < 0.05 < 0.05

* 疎水性HDK® の比表面積は疎水化前の数値です。 (上記の値は代表値であり、出荷規格ではありません)

 

 

HDK®の機能

HDK®はその粒子構造から様々な機能を発現します。

機能 主な用途

増粘性、チクソ性の付与

(粘度調整及びたれ止め)

塗料、インキ、接着剤、化粧品、シーリング剤等
艶消し、艶の調整 塗料、インキ等
沈降防止 塗料、インキ、接着剤、化粧品、農薬・肥料等の固形成分の沈降、凝集防止
沈殿物の固結防止 塗料、接着剤、肥料等
熱、水分等の影響による固結防止 樹脂、農薬・肥料等粉末・粒状製品
粉末製品の流動性向上 粉体塗料、コピートナーなど微粉末製品
研磨 CMPスラリー、歯磨き等の微細研磨用フィラー
担体 触媒等の担体
吸着 インクジェット用紙の受容体、高吸水性樹脂の吸水補助剤
ゴム製品の強度向上 シリコーンゴムや合成ゴム、(無色で着色品に好適)
押し出し成型時の形状保持性 ゴム製品
ゴム製品のべとつき防止 コンパウンド、ゴム製品

 

技術資料

HDK® のチクソトロピー効果

チクソトロピー効果により、シェアをかけることで粒子の凝集構造が変わり、粘度が変化します。貯蔵、塗工などの使用時、充填工程においては、HDKで系の粘度を調整し、各作業性を向上させることができます。

 

 

 

比表面積による増粘性の傾向

一般に、比表面積の大きなものほど増粘性が高くなる傾向があり、親水性タイプでは比表面積200㎡程度(HDK® N20)が最も増粘効果が高くなります。比表面積の小さな製品(130 ㎡以下のもの)は、低増粘で高充填の用途(強度、 耐摩耗性の向上等)に向き、大きな製品は、透明性を要求される用途に適しています。

 

 

樹脂の相互作用(極性)によるHDK®の選定

塗料やインクなど混合する系の極性やシリカの種類により、増粘挙動が異なります。一般的に極性系には疎水性シリカ、 非極性系では親水性シリカが適していますが、増粘には比表面積の影響も受けますので、複数のグレードでお試しすることをお勧めします。

 

 

 

HDK® N20の増粘・チクソ性の効果試験結果

   フタル酸樹脂ワニス(45 %モノスチレン)を基材とし、HDK® N20を0.5%分散させた試料を作成し、チクソ性付与効果と沈降防止効果についてそれぞれ下記の条件で試験を実施しました。

 

HDK® N20を0.5%添加した試料と未添加の試料について回転粘度計(BROOKFIELD RTV-DII、 Spindle No.3)を用い、回転数に対する粘度変化を測定しました。その結果、未添加の試料の粘度変化はほぼ見られなかったのに対し、HDK® N20を0.5%添加した場合、粘度が1600 mPasから約4分の1にまで低下し、わずかな添加量でチクソ性を発現することがわかります。

HDK® N20と他社同等品をそれぞれ0.5 wt%添加した試料を100 mlのガラスシリンダーに入れ、1週間、2週間、6週間後のシリンダーの上澄みの透明相の体積を測定しました。HDK® N20を添加した試料の方が、分離した透明相の体積が小さいことから、系をより安定に分散させ高い沈降防止効果を発現することがわかります。

 

 

HDK® H18の増粘・チクソ付与効果試験

ビニルエステル酸樹脂ワニス(45 %モノスチレン)を基材とし、そこへHDK® H18を0.3 ~ 0.6 %分散させたものと未添加の試料をそれぞれ調製し、回転粘度計による粘度変化を測定しました。少量添加することで増粘効果が見られ、また、添加量を調整することで所望の粘度に調整することが出来ます。

 

 

 

HDK® の混合

   HDK® の混合は、高速ミキサー(ディゾルバー)などを用いた高速混合分散により最大の効果を発揮します。ブレードの選択、回転測度、混合系の粘度・温度条件を調整し、均一に混合することで、所望のニーディング効果(撹拌・混練・分散)が得られます。

 

 

荷姿

内容量 / kg 梱包形態
5 ~ 20 ペーパーバッグ
150 ~ 200 ポリプロピレンバッグ
3,000 ~ 5,000 メガバッグ

 

 

梱包例

 

 

 

取扱・保管上の注意

・粉塵を飛散させないようにしてください。

・粉塵を吸入しないよう、保護具を着用してください。
・湿気に注意し、密閉した状態で保管してください。

適用法令

・消防法 非危険物

  

各製品の詳細情報につきましては、「製品に関するお問い合わせ」より必要事項をご入力いただき、お問い合わせください。

シリコーン活用辞典

banner_library.jpg

旭化成グループ情報サイト


シリコーン工業会