LED用シリコーン

はじめに

 

LEDは白熱電球に比べて圧倒的にエネルギー変換効率が高い、寿命が長いという理由で、照明用途を中心に急激に普及しつつあります。この傾向は、資源節約、省エネルギーというメガトレンドの中で今後も続いていくと予想されます。輝度や寿命などの面でLEDに対する要求は今後ますます高まっていくと考えられる中で、LED照明が高い信頼性を実現するために、シリコーンは大きな役割を果たしています。


LED照明におけるシリコーンの役割

LEDが照明として機能するために、シリコーンが果たしている役割は様々です。大きく分けると、封止材、レンズ材、ダイボンディング材、反射材として、LED照明を影ながら支えています。Wacker Chemie AGは、各用途に最適化された、先進的なシリコーン製品を提供し、お客様のLED照明の開発をサポートします。

・封止材

LED素子をシリコーンで封止することにより、水分や埃からデバイスを保護し、耐久性を向上させます。シリコーンはLED素子から発せられる熱と光に対して安定であり、封止材として最適です。また、高い透明性が求められます。さらに、高屈折率のシリコーン材料を用いると光の取り出し効率が向上します。

・レンズ材

LED素子から発せられた光を分散させるために使います。レンズには形状を保持するため、適度な硬さと高い透明性が求められます。精度の高いレンズを製造するために、金型を用いて成型されます。

・ダイボンディング材

LED素子を基材に固定する役目を果たします。素子の熱に耐えるだけでなく、素子の熱を基盤へ効率よく伝えるための高い熱伝導率も必要です。

・反射材

LED素子から発せられた光を効率よく利用するために、基板方向に照射された光を反射します。白色で可視光全域に対して高い反射率を有します。

                

 

     主たるLEDパッケージの構成とシリコーンの用途を以下の一覧表にまとめました。



製品の性能
 ・封止材



 ・LUMISIL® 561と市販品の性能比較




 ・高耐熱性封止材
     
     高耐熱性封止材 LUMISIL® 500 (250℃/100 時間)の耐熱性 左) LUMISIL 500、右) 市販品


 ・高耐熱性LED 材料  LUMISIL® 700の耐熱性
  耐熱試験:アルミ容器内で260℃加熱 / 10分冷却を繰り返し、1時間ごとに外観チェック
    


 ・レンズ材料

    


 ・ダイボンディング材

     


 ・反射コーティング材
            


 ・ダイコーティング材
            
           *チキソトロピックインデックス


 ・蛍光体フィルム用材料
            


【Wacker Chemie AGとは】

ドイツのミュンヘンに本社をおき、100年以上の歴史を誇る世界第2位の総合シリコーンメーカーです。その活動は欧州に留まらず、世界中の顧客にソリューションを提供するグローバル企業です。世界の各拠点で製品開発や改良を続け、お客様のご要望に応え続けています。
LED用シリコーンの開発においては、韓国のソウルにグローバル開発センターを置き、世界中のLEDメーカーへ最先端のシリコーン技術とシリコーン製品をお届けしています。


安全性について
・包括的な安全情報については、製品データシート(SDS)をご参照ください。



各製品の詳細情報につきましては、「お問い合わせ一覧」より、お問い合わせください。

シリコーン活用辞典

banner_library.jpg

旭化成グループ情報サイト


シリコーン工業会