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優れた伸展性と相溶化能を示すフェニル変性シリコーンBELSIL® PDMシリーズ

 

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イントロダクション

シリコーンは、優れた伸展性を持ちシルクのような感触を付与できるなど、その特長的な性質から、ヘアケア、スキンケア、カラーコスメをはじめとする化粧品の幅広い分野で使用されている。化粧品用シリコーンの中でも、各種有機官能基で変性し、様々な機能を付与した変性シリコーンは化粧品原料として不可欠なものになっている。特に、高い屈折率を持つフェニル官能基を持ったフェニル変性シリコーンはつやの付与や相溶化剤として、様々な化粧品に広く用いられている。

 

1. 背景

フェニル変性シリコーンは、フェニル基に由来する高い屈折率を持ち、良好なツヤを付与するため、口唇化粧料などを中心に幅広く使用されている。さらに、各種紫外線吸収剤と相溶性が高く、サンケア処方などで、その他の炭化水素や、シリコーン成分との相溶化剤として有効な原料であると位置づけられている。一方で、ツヤの付与や相溶化剤としての機能を重視するため、感触付与はあまり考慮されておらず、場合によってはきしみにつながるような感触のものもあった。本稿ではツヤの付与や相溶化剤としての機能と、良好な感触を併せ持つBELSIL®フェニル変性シリコーンシリーズの優れた特長を紹介する。

 

 

 

2.試験方法

(1) サンケアクリームでの感触パネル評価

  BELSIL® PDM 20と類似品をそれぞれ各3%配合したサンケアクリームを作製し、塗布時のさらさら感(軽さ)と塗布後のべたつきのなさについて、パネル試験にて評価した(N=4)。


※サンケアクリーム処方
水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、グリセリン、フェニル変性シリコーン、オクトクリレン、安息香酸アルキル(C12-15)、セチルリン酸K、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸グリセリル,セテアレス-20, セテアレス-12セテアリルアルコール, パルミチン酸セチル、ミツロウ、セチルアルコール、キサンタンガム、EDTA-2Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン

 

(2)  紫外線吸収剤との相溶性評価

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルに3種類の固形のUV吸収剤を溶解させ、第3成分としてBELSIL® PDM 20を添加した時の相溶性を確認した。3成分は以下の比で混合し、15℃にて1か月保存後の相溶性を評価した。
UV Filter:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:BELSIL® PDM 20 = 1:4:5

 

(3)  加熱時の揮発安定性評価

  加熱時の揮発分の測定結果を図2に示す。BELSIL® PDM 20は同粘度領域の類似品と比較し、揮発分が少ないことが確認でき、高温での製造工程の安定性や長期安定性に優れることが示された。

 

 

 

3.結果

(1) サンケアクリームでの感触パネル評価
サンケアクリーム処方によるパネル試験結果を図1に示す。BELSIL® PDM 20は類似品のフェニル変性シリコーンに比べ、塗布時及び塗布後の感触が非常に優れていることが示された。

 

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 図1. サンケアクリーム処方によるパネル試験結果

 

(2) 紫外線吸収剤との相溶性評価
各種紫外線吸収剤との相溶性評価結果を表1に示す。溶解性の低い3種の固形のUV Filterやメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと高い相溶性を示した。

 表1. 各種紫外線吸収剤との相溶性試験結果

UVフィルター 結果
(A)t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン PDM-1.jpg
 (B)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン PDM-2.jpg
 (C)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル PDM-3.jpg

 

 

(3) 加熱時の安定性
  加熱時の揮発分の測定結果を図2に示す。BELSIL® PDM 20は同粘度領域の類似品と比較し、揮発分が少ないことが確認でき、高温での製造工程の安定性や長期安定性に優れることが示された。

  

 

 

図2. TGAによる揮発分測定結果

 

 

4.まとめ

BELSIL®フェニル変性シリコーンシリーズの良好な感触付与、紫外線吸収剤との良好な相溶性、加熱時の安定性について、優れた効果が示された。BELSIL®フェニル変性シリコーンは類似品とは異なりフェニル基を持つトリメチルシロキシフェニルユニットに加えて、ジメチルシリコーンユニットを持つ独自の構造(図3)により、各種紫外線吸収剤との高い相溶性を持ちながら、きしみのないジメチルシリコーン特有の良好な感触を付与する。さらに、揮発分が少ないことも特徴的であり、リップスティックやエマルジョンタイプの減圧、加熱工程が必要な化粧品処方においても安定に配合でき、製品の長期保存における品質安定性にも優れる。サンケア、カラーコスメ、スキンケア、ヘアケアなど幅広い化粧品において、様々な特性の向上に推奨できる好適な原料である。

 

図3. BELSIL®フェニル変性シリコーンの構造

 

 表2. BELSIL®フェニル変性シリコーンの製品概要

製品名 BELSIL® 外観 屈折率 化粧品表示名称 医薬部外品原料規格 中国INCI
PDM 20 無色透明 1.437 トリメチルシロキシフェニルジメチコン メチルフェニルポリシロキサン
PDM 1000 無色透明 1.461 トリメチルシロキシフェニルジメチコン -

(上記値は代表値であり、規格値ではございません。) 

 

  

おわりに

独自の構造を持つBELSIL®フェニル変性シリコーンシリーズの類似品とは異なる様々な特長を紹介した。粘度が20mPa・sのBELSIL® PDM 20と、より高粘度の1000mPa・sの BELSIL® PDM 1000の2グレードは、混合してお好みの粘度に調整して使用することもでき、各種化粧品用途での使用が期待される。

  

 

 

 

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