バイオメタノール由来のシリコーン BELSIL🄬 eco
はじめに
近年、環境に配慮した製品への関心が高くなっている。環境や社会の問題に対する取り組みとして、Wacker Chemie AGは国連が採択したSustainable Development Goals (以下、SDGs)を考慮した製品や技術の提案をしている。その1つとして、シリコーンメーカーでは世界で初めて、再生可能原料であるバイオメタノール由来のシリコーンを開発した。
化粧品や家庭用品向けに好適な、BELSIL🄬 ecoシリーズ(表1)とLIOSIL🄬 ecoシリーズ(表2)の優れた特長について紹介する。
表1. BELSIL🄬 ecoシリーズの製品概要 |
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(上記値は代表値であり、出荷規格ではありません。) |
表2. LIOSIL🄬 ecoシリーズの製品概要 |
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(上記値は代表値であり、出荷規格ではありません。) |
1. 標準グレードのシリコーンと変わらない優れたパフォーマンス
ecoシリーズのシリコーンは、標準グレードのシリコーンと化学的に同一で、その優れたパフォーマンスは変わらない。そのため、処方の再調整やプロセスの改良が必要なく、容易に代替することができる。
2. 優れた二酸化炭素削減効果
植物由来であるバイオメタノールと石油由来のメタノールは化学的には同一であるが、バイオメタノールは製造工程で化石原料を使用しないことから、これを用いたシリコーンは石油化学由来品と比較し、はるかに優れた二酸化炭素削減効果を有する。1ton のシリコーンオイルあたり1.6ton の二酸化炭素を抑制することができる。ecoシリーズの使用により、環境に配慮した製品の開発に貢献することが可能である。
3. マスバランス法によるアプローチ
Wacker Chemie AG が確立したマスバランス法が、国際認証機関 TÜV NORD によりREDcert2の認証を受けた。このマスバランス法によって、シリコーン製品の製造量から、使用した再生可能原料(バイオメタノール)の量を計算することが可能である。最終製品までのすべての製造工程を通じて、バイオメタノールの使用量をトレースできる本手法の確立は、シリコーン業界では世界初である。
図1. マスバランス法による製造アプローチ(イメージ図)
4. バイオメタノール
バイオメタノールは、同じくTÜV 認証を受けたメーカーの製品を使用しており、わら、牧草、テンサイなど、食物や飼料と競合しない植物由来の廃棄系資源を使用している。
5. ISO 16128準拠 自然由来指数
自然由来指数は、ISO16128に準拠し、分子量に対する自然由来の官能基、構成単位の式量の比率から算出される。
BELSIL
🄬 eco及びLIOSIL
🄬 ecoシリーズでは、バイオエタノール由来であるメチル基と、水由来のシロキサン結合中の酸素原子を自然由来の官能基、及び構成単位とし、その式量のジメチコンの分子量に占める比率を0.00-1.00の割合で示している(表3,4)
表3. BELSIL🄬 ecoシリーズのISO 16128自然由来指数 |
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終わりに
バイオメタノールを使用した、シリコーンの特長について紹介した。BELSIL
🄬 ecoシリーズやLIOSIL
🄬 ecoシリーズは、二酸化炭素削減など、環境配慮型製品の開発に貢献できる製品である。
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